「見積者」と「施工者」 見積者が工事に携わる重要性
チラシやネットの塗装業者の広告の特徴として挙げられるのは
ほぼ全部の格安塗り替え業者が
十把一絡げ的な価格設定をしている事です
この様な情報はこれから塗り替えを考えている人にとっては
ありがたい情報かもしれませんが
確かにある一定の条件下であれば
だいたいこの位の予算で出来る
と言うような見当はつけることは出来ますが
それはあくまでも参考に過ぎず
本当の見積りは実際に現場を見るまでは
解からないのが普通です
しかし彼らはこの様ないいかげんな価格を
堂々と広告に載せています、これではまるで
「うちの店にはまともな見積りの出来る人間は一人もいません」
と公言している様で
見ているこちらが恥ずかしくなってしまいます
この様ないいかげんなマニュアルに沿って書かれた見積書に
いったいどれくらいの
真実があるのでしょうか?
塗装工事は流れ作業ではありません!
見積りから始まり足場の撤去まで
全ての工程に経験と技術が要求されます
マニュアルで書かれた見積書には
マニュアル通りの施工しかすることは出来ません
施工途中の外壁に重大なクラックを見つけたとしても
施工途中の屋根に致命的な欠陥を見つけたとしても
施工者はマニュアル以上(見積書以上)の工事をする事はありません
それに関わっていては下請けの利益が出ないからです
これは明らかに見積もり者の見落としだと解かってはいても
それを口に出す事はありません
なぜならば見積り者は彼らの上司だからです
虚構の価格設定
御自宅の塗替え工事 「最低¥350.000円~」!
と言うような最低価格を基準にしている業者がいますが
少し考えれば解かる事ですが
最低価格ということは
言い換えればこれ以下は考えられない
最低の工事と言う事です
そしてそのような工事は
最低の結果しか生み出す事は出来ず
後々必ず致命的な欠陥をあなたの家にもたらす事になります
「良心的な工事」、「任せて安心」
等と銘打っているような会社が
そのカンバンにも等しい公の広告に
最低(最悪)ラインの価格を堂々と載せている
この矛盾はいったいどうした事でしょうか?
もし施主が
「ココに書いてある最低の価格で工事をして欲しい」
と言ったとしたら彼らはどのように対応するのでしょうか?
もし担当者が良心的な人間だったとしたらきっとこの様に言うでしょう
「この金額ではろくな工事は出来ません
施工したとしてもまたすぐに塗り替えるようになってしまいます」
しかしこの様に言ったとしたら、この広告の金額はあり得ない金額
つまり虚構の金額と言う事になります
また逆にこの要求を聞き入れてこの金額で施工したとしたら
これは広告にある
「責任施工」「任せて安心」
という謳い文句とは程遠い工事をしなければなりません
どちらにしろこの様な広告を見るにつけ
「仕事が取れればそれでいい、後の事はどうにでもなる」
というような会社側の本音が見え隠れしている様で
その薄気味悪い事、この上ありません
保証書を発行する事の「偽善」
例えば屋根の葺き替えや屋上の防水工事であれば
それは雨漏りです、
見た目にも明らかだし誰にでも解かります。
ですが塗装はそうは行きません、
塗膜がどのような状態になった時なのか、
ハガレの程度や粉化の進み具合、
またスチール製の手すりや階段などだったらサビの出具合。
この辺りのことが実に曖昧です。
その為に保証書と言う物を出すのですが
この保証書の内訳ご存じですか?
ウチで出している「保証書」をご覧ください
ここで見て頂きたいのは「免責事項」です
この保証書に書いてある免責事項は
他社で発行している保証書の免責事項と大差は在りません
どうでしょう?・・・・・なめてますよね?
例えば
塗膜が剥がれる1番の原因は「下地の不具合」なんですよ
「結露、凍害、錆汁、カビ」これも塗膜が痛む大きな原因です
すごいでしょ?この自然現象の羅列、
台風とか大雨って日本に住んでたらしょっちゅう来ますよね?
建物にクラックが生じる1番の原因は地震ですよ?
私は川崎在住なんですが、「酸性雨、産業降下灰」とありますが、これって
川崎の南部全域はこれに該当するんですよ。
外的衝撃以外で塗膜が損傷を受ける原因のすべてを1,2,3、4項で保証を否定しているので
早い話、「何があっても保証はしませんよ」と言う事です。
つまり塗装会社が発行する保証書と言うのは、施主を守る物ではなく
施工者を守る物だと言う事がご理解いただけたでしょうか?
つまり「保証書」を発行すると言う事は
自分に対する免罪符を発行すると言う事に他ならないのです
表示価格のトリック
最近リフォーム関連会社の広告をよく目に致しますが
この様な広告を御覧になられて皆さんはどのように
御感じになられたでしょうか?
私個人の正直な意見としては、
「え!?本当にこんなに安くできるの・・・?」
職人の私でさえこう思うのですから、皆さんがどう思われるか
容易に想像できます。
それでは本当にこの値段で施工できるのか否か、
もう少し詳しく広告を見てみましょう。 先ずこの値段には
足場代が含まれていない事がわかります。
それ以外にも家の外部を構成している
諸々のパーツも含まれておりません。
この諸々のパーツはオプションとして
広告のはじっこの方に小さく書かれているだけです。
つまりこの値段は私たちが書く普通の見積書の
ほんの一部を抜き出して書いていると言う事が解かります。
もし本当にこの値段内で施工したとしたら壁以外のパーツ
、
例えば
雨どい、水切、破風、鼻隠し、霧よけ、ひとすじ、妻板、鏡板、雨戸
等はそのまま残ってしまう事になります。
そして施主がこの事実に気が付くのは工事の途中、
と言うような事が往々にしてあります。
結果
施主は予定していなかった多くのオプション工事の
料金も支払わざるを得なくなってしまいます。
冒頭(はじめに)にも書きましたが
良くあるトラブルの大半はこの類の物です
原因はケースバイケース色々ありますが、
「強引な営業のせいばかりには出来ない」
と言うのも現実です。施主の皆さん、
最終的な見積り金額ばかり見ていては
足元をすくわれる事にもなりかねません。
少しでも疑問に思ったらドンドン質問することが大事です。
そしてその質問に答えられないような営業マンだったら
即座に交渉は中止して下さい。
素人に工事を任せる事ほど危険なことはありません。
ちなみに現在首都圏で営業を拡大している某大手などは
その求人広告に
「未経験者大歓迎、月収60万以上可能」
等というとんでもない広告を掲載しております。
彼らはこの様にして集めた素人に
いったい何をさせようというのでしょうか?
「半永久的」な塗料とは?
さすがに最近はこの手の営業は少なくなりましたが
セラミック塗料が出始めの頃は良く耳にした言葉です
最近だと光触媒がその範疇ですね
これは塗料メーカーの宣伝の仕方にも
大いに疑問の残る所なので
その辺りのことを少しお話しいたします
セラミックには主に2つの特徴が挙げられます
1つは色あせし難いということ
2つ目は硬度が高いので
汚れが付きにくいということです
メーカーはこれを大々的に宣伝したのですが
パンフレットをちょっと見ただけでは
色あせしない!汚れが付かない!
プロの私でもそう思わざる得ないような内容でした
色あせし難いと言ってもこれはあくまでも
従来の塗料と比べてのことで
やはり濃い色や派手な色などは
確実に色あせしますし
汚れが付きにくいと言っても、汚れが表面に散らばるだけで
結論を申し上げると
半永久的に持つ塗料など今現在では
存在いたしません
フッソ樹脂塗料とて同様です
ちなみに最近
「半永久的に塗り替えの必要がない」
と言われ塗り替えた家の見積りに行きました
施工してから6年
既に塗り替えの必要性に迫られております
その時工事に携わった中間業者、施工業者とは
既に連絡が取れないということでした
それが悪意ある工事だったのか
或はそうではなかったのか
今となっては推測の域を出ません。